国際社会はいま、社会問題にますます大きな関心を注ぐようになっています。
経済と技術の変化、人口動向、都市化、諸国間の関係の緊密化などが社会的変化に大きな影響を及ぼし、社会問題を各国政府にとって第一の関心事とさせる要因となっているからです。
多くの開発途上国で経済の停滞や後退が貧困者を増加させ、公共事業の削減を強い、社会問題を悪化させています。
国連は社会開発関係の活動をさらに重視することによって、このような傾向に対応してきました。
国連のこの分野での活動は、とくに社会分析、政策の立案と構成、プロジェクトの実施などに関する開発途上国の能力強化を目的とする社会政策関係活動の中心である国連ウィーン事務局を通じて実施されています。
人口問題に関する国連の初期の活動は、世界の大部分の国で不十分だった人口統計の改善に集中していましたが、その後は、分析調査および世界的な人口推定と予測の作成への統計データの応用に焦点が移っていきました。
最初の人口年鑑(Demographic Yearbook)は国連統計局によって1948年に発行されました。
1960年代に入ると、世界人口の異常な増加問題が緊急の関心事となってきます。
人口の増加率は1960年代後期に頂点に達しましたが、70年代にやや低下し、80年代には安定。
世界人口は1950年には25億でしたが、1988年には50億に増加しました。
総会は1966年、国連が人口の分野で技術i援助を与えることを許可し、その翌年には人口活動信託基金を設立しました。
1969年に国連人口活動基金(UNFPA)と改称したこの基金は、人口の分野における技術協力活動に
ついて国連機構に対してさらに資金を提供することを目的としています。
1972年には国連開発計画(UNDP)の理事会が、この基金の執行機関に指定されました。
基金の名称は1987年12月に再び変更されて「国連人口基金」となりましたが、UNFPAという略称は残すことになりました。
UNFPAは現在、開発途上国の人口計画に対して援助を行う最大の国際機関です。
基金のほとんどは各国政府の自発的拠出金でまかなわれ、大部分は家族計画関係のプロジェクトに配分されています。
UNFPAの任務は、各国の人口と家族関係のニーズへの対処能力の向上、人口要因(人口の増加、出生率、死亡率、人口密度、人口移動など)についての理解の促進、人口政策の目標と計画の作成に関する対政府援助、その実施についての財政的援助の提供などです。
その活動分野に家族計画、情報伝達と教育・データの収集と分析・政策・計画立案および女性、青年、老人、障害者などのための特別計画の作成と実施、会議、資料センター、情報センターなどに対する支援および訓練などが含まれます。